不眠のメカニズム

「布団に入って目をつぶってるのにいつまでたっても寝られない」「最近眠りが浅くて寝た気がしない」。こんな経験をしたことのある方は少なくないように思います。そして、この記事を読んでいる方は、何かしら睡眠について気になるところがあるのではないでしょうか。コロナの流行からリモートワークを導入した会社も増えましたが、「オンとオフが切り替えられなくて、最近なんだか寝られない日がある…」なんていう声を身近によく聞くようになりました。体や心の不調は睡眠に現れやすいと言われています。
そんなわけで、こちらの記事では健康の大事なバロメーターである「睡眠」をテーマに、睡眠の基礎知識からよく寝られるようになるためのコツまで、心理学的な視点からお伝えしたいと思います。

〇不眠と不眠症の違い
 不眠と不眠症の違いって皆さんご存じでしょうか。「夜間睡眠に問題がある=不眠症」だと考えている方もいるかもしれませんが、実はそんなことありません。例えば、睡眠の問題というと以下のようなものが挙げられます。

1.なかなか寝付けない入眠困難
2.途中何回も目を覚ましてしまう中途覚醒
3.普段よりも2時間以上早く目を覚ましてその後寝られない早朝覚醒

ただ、これだけでは不眠症にはなりません。こういう睡眠の問題から、昼間に眠気がおこったり、集中できなくなったり、だるさが生じたり、日中の生活に支障が出ている場合に初めて不眠症と判断されます。なので、睡眠時間が短かったり、多少朝早く起きてしまったりしても、職場に行って仕事ができていたり学校に行って授業を受けられていたり、日中をそれほど問題なく過ごせていれば不眠症ではないんですね。

〇どうして不眠症になるの?
「好きな人に振られてつらい…」「会社で大きな失敗をして上司から叱られた…」「明日の試験は失敗できない…」「明日大事な会議があって緊張する…」。ストレスの内容は人それぞれだと思いますが、寝る前にこうした嫌なことを考えてしまって、眠れなくなった経験がある方は少なくないのではないでしょうか。ストレスを感じると誰でも一時的に眠れなくなるのは自然なことです。ただ、それがしばらく続いてベッド(布団)に入っても寝られない体験が何度も繰り返されると、ストレスがなくなっても、体が反応して横になると目が覚めてしまうようになります。つまり、ベッド(布団)に入ると目が覚めるのが体に染みついて習慣になってしまうんですね。そこで、「ベッド(布団)=目が覚める」関係性を「ベッド(布団)=眠くなる」関係性に変えることが必要になります。次回はこうした関係性を変えるためにできる工夫をお伝えしたいと思います。

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